冒険小説の時代。志水辰夫・自作を語る『飢えて狼』。

内藤陳氏が立ち上げた日本冒険小説協会。その始まりは集英社月刊PLAYBOYの小さなコラムだった。グルメとかうんちくとか世のメインストリームにはなり得ない記事(当時はそれらはカルチャーの主流になるとは思われてなかった)のページ埋めのひとつとして開始されたのだ。集英社としては出版社として自分とこの単行本の宣伝手段のひとつとしてもみていたのだろう。金のかからない広告である。こまとしてはページの1/3程度の大きさだ。そんな中から冒険小説の一大ムーブメントが沸き起こる。

冒険小説は面白かったのだ!

気軽に読める文庫本として早川のSF小説集英社コバルト文庫が売れていた。それらのラインにはない新たな路線が期待されていた。角川は自分のところで映画と小説のタイアップを開始。作品はそれらの環境の枠に取り込まれる。従来の作風に重ならないそれらと被らない路線とはどういうものだろう? 日本のヒーローが暴れまわる、翻訳書じゃないスタイルの大人向けの冒険小説である。

斯界に作家たちが続々と登場してきた。彼らは売れていく。

志水辰夫は最初期の作家である。本コラムはその背景を語ったものだ。

この中に映画『わたしの若草物語』と同じ瞬間がある。作家として生まれる瞬間である。とにかく苦しい。どこへ向かってるのか皆目見当つかない。もちろん食うために作品を書く。そのためのねた(飯のたね)をいったいどうやって手に入れるのだろう?

これはその秘密の暴露である。必読。こういう視点があるのである。

志水辰夫・自作を語る『飢えて狼』

http://www9.plala.or.jp/shimizu-tatsuo/sub201yoko.html