恐怖のけつバット大会。

中学校1年、1学期の終業式の日。明日から夏休み!という気分も晴れ晴れのその朝に衝撃的なニュースが舞い込んできた。

「通信簿で1か2をもらうと懲罰がまってるらしい」「体罰が待ってるらしい」

クラスは騒然となった。中学校から通信簿は相対評価となる。点数で区切って集団内の位置により1〜5まで決めるのだ。成績上位にあるものは勉強しなくても評点5となり、成績下位は自動的に評点1となる。評点1か2の人間は割り振られて必ず存在する。

体罰を受けるものは絶対に現れるということである。

中学校は罰則が厳しく違反者には堂々と体罰が行われていた。「絶対に体罰は行わない」と宣言する佐川野小学校須見先生の方針とは異なるのだ。もちろん必要だからそうするという判断は生徒にもあったし学期最初の1週間の体罰週間で私語はなくなり授業は統率が取れ集団行動もしっかりするなど十分な効果を発揮していた。体罰を行うと言っても規律ある限り体罰は実際にはなかったのである。

しかし成績で区切るとなると問答無用で体罰

どんなに規律正しくても、受け答え正しくても問答無用で体罰

このときのパニックはどう表現したらいいのでしょう? 映像で表現するなら『兵隊やくざ』のそれなのです(近年映画を見てまじで驚いた。まったく同じである)。

ホームルームの終わるのを震えながら待つ。終わって部活に向かうと体育館の中で卓球部が既にミーティングを行なっている。部員はひとりひとり呼び出され顧問から膝が崩れるほどのビンタをもらっている。なんてことだ! 校庭を見てさらに驚いた。陸上部はけつバットである。ひとりひとり並ばされ尻にフルスイングなのである。

柔道部である。1年はみながちがちに震えて正座して待っている。

なんと柔道部ではそんな体罰一切なかったのだ!

驚いた。そして天国であった。もちろん柔道部の成績が他の部活より平均して良くなることはその後ぜんぜんなかったのである(勉強しないことが柔道部の美徳だったのである)。