日本には既に膨大なデジタル教材のリソースがある『コロナ禍で生まれたアメリカ義務教育の変化~デジタル化が急加速~』4/18(土) 11:22配信 時事通信。理科ねっとわーくをみましょう。偏見に染まったライターについて。


この記事のライターはこんなこと書いてますが日本には既に膨大な量のオンライン教育資源があります。すごいのです。
◯臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト(子供の学び応援サイト)(文部科学省のページ)
◯理科ねっとわーく(国立教育政策研究所
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コロナ禍で生まれたアメリカ義務教育の変化~デジタル化が急加速~
4/18(土) 11:22配信 時事通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200418-00010000-jij-n_ame
 日本では新学年が始まったが、新型コロナウイルス(COVIDー19)の影響で休校になり子供の学習を心配する親も多いことかと思う。感染者数で世界最多となったアメリカでも、ほとんどの学校施設が閉鎖された。学校側は、インターネットでの自宅学習への急転換を余儀なくされている。今回は、コロナがアメリカの学校教育にもたらした変化、親や生徒の声を、米メディアで現地の生の姿を取材してきた日本人ジャーナリストがお届けする。
【図解】図で見る新型コロナウイルス感染拡大
◇「史上最大の試み」
 これまでのコラムでも繰り返し述べてきたが、アメリカでは3月中旬から連邦政府地方自治体による新型コロナ対策が本格化した。
 感染拡大速度を緩めて医療崩壊を防ごうと、多くの州で次々と集会、外出禁止が発令された。必須サービス以外は営業停止が命じられ、集団感染のリスクが高い学校施設も次々と閉鎖となった。
 教育専門ニュース機関エデュケーションウィークによると、少なくとも12万4000以上の公立・私立学校が閉鎖され、5510万人以上の生徒が影響を受けているという。既に50州中21州は、今学年度いっぱいの学校閉鎖を命令、もしくは要請している。(アメリカの新学年は8~9月に始まり、5~6月に終わる。)
 その結果、全米中の学校がインターネットを利用した自宅学習に一斉に切り替えるという教育史上まれに見る大変革を迫られた。
 調査会社ギャラップによると、学校が提供するオンライン遠隔教育で子供が学習していると答えた親は、4月第1週で既に83%に達している。高校から小学校まで、教師と生徒はオンラインで授業や課題のやりとりをするようになった。
 いつまで閉鎖が続くかは分からないが、コロナウイルスを機にアメリカの学校教育が変わる、特にデジタル化が加速することは間違いない。
 「これはアメリカ公教育史上最大の試みだ」とオレゴン州ポートランド市のグアダルーペゲレーロ教育長は述べている。
 (アメリカの教育制度は日本と大きく異なる。教育行政は州の管轄で、日々の運営は学校区に委ねられている。教育方針やレベルには地域差があり、義務教育期間である小中高の区切りさえも学校区によって違う。アメリカの公教育は多様で一括りに語れないということを念頭に読み進めていただきたい。)
◇自宅学習の様子
 全体を見れば、公教育のデジタル化は、アメリカの方が日本よりも進んでいる。学校区のレベルに関わらず、生徒が授業でノートパソコンを使うのは小学校ですら当たり前になってきている。
 例えば、筆者が暮らすカリフォルニア州アーバイン市では、生徒がいつでも一人1台、クロームブック(クラウド使用を前提とした安価なノートパソコン)から高速回線にアクセスできるよう学校のインフラが整えられている。小学生であっても、Googleドキュメントなどのクラウドサービスを使って、作文やリサーチ、グループワークをこなす。
 なので、遠隔学習への移行は比較的スムーズだった。
オンライン学習の利点
自宅のパソコンで、ネットを通じて出された学校の課題に取り組む岩瀬功武くん=2020年4月、米アーバイン【岩瀬朋子さん提供】
 学校が閉まった3月16日の数日後にはオンライン学習が始まった、と8年生(日本の中学2年生)と小学3年生の子供を持つ岩瀬朋子さんは話す。
 長男の功武くん(13)には、月曜日に各教科の先生から1週間分の授業動画や課題が送られてくる。先生とのやりとりには、Googleクラスルームやキャンバスといった課題の出題と提出、採点、フィードバックなどが1箇所で行えるプラットフォームが用いられる。
 授業には先生が自宅で撮影した動画や、無料で授業動画を配信するカーンアカデミーが使われ、勉強のスケジュールは各自で立てる。体育では腕立て伏せや腹筋などのメニュー、音楽では演奏課題の楽譜が送られてくるそうだ。教科によっては、週1回くらい20~30分間のZoomを使ったテレビ会議が行われる。
 妹の未青ちゃん(9)も、同じようにGoogleクラスルームを使って先生がつくった動画を見たり、課題を提出したりしている。
 毎朝8時には、クラス全体でテレビ会議が開かれる。「オンライン学習をどう思う?」「1年間インターネットを使えなくなるのと甘い物を食べられなくなるのとでは、どっちを選ぶ?」などのテーマで議論するそうだ。
 未青ちゃんが授業動画を見ていて分からない箇所は、朋子さんが教えるという。しかし、中学の内容は教えられないので、功武くんは先生にメールで質問する。テストの出来が悪いと授業が追加されるので、そうならないように功武くんは課題をちゃんとこなしているそうだ。提出できていないと、親にメールが届く。
 動画だと分からない時すぐに質問できず、何度も見返したり親に手伝ってもらわなくてはならないのが大変だと未青ちゃんは言う。半面、他の生徒が話したり待ったりする時間がなくなり、学習効率は上がったと感じているそうだ。
 自宅学習になり、「子供達との時間も増えて、ものすごく快適」と朋子さんは話す。「子供達もしたい事をする時間が増えました。普段より余裕ある生活ができて、お友達とオンラインで遊ぶ時間ができて楽しんでいます」
 他の学校区も似たような取り組みをしている。
 裕福で教育熱心な家庭が多いアーバインとは対照的に、ロサンゼルス郊外のサンバーナディーノ学校区は低所得世帯の子供が9割を占める。それでも、4月20日から完全なオンライン学習に移行するため、必要な生徒には無償でクロームブックとモバイルルーターが配られた。
 3月16日に学校施設を閉鎖してから、春休みを含めて4月3日まで休業した後に、教師はGoogleクラスルームの講習を受けた。
 「授業にデジタルツールが取り入れられているアメリカの方が、日本に比べると遥かにこうした遠隔学習に移行しやすい」とカリフォルニア大学アーバイン校のオンライン学習研究センター所長で、早稲田大学で客員研究員をしていたこともあるマーク・ワーシャワー教授は言う。
格差拡大の懸念
 しかし、自宅でのオンライン学習には落とし穴もある。
 教室と違い先生や他生徒の目がないため、より自制心が必要とされる。スケジュールも自分で立てなくてはならない。
 また、たとえテレビ会議を使っての双方向授業であっても、先生は生徒の微妙な反応を感じ取るのは難しい。即座にちょっとしたコミュニケーションも取りづらい。
 実際、モチベーションを保てず怠けてしまう、どうしてもパソコンに向かって集中できないなどの声が聞こえてくる。
 アーバイン市の12年生(高校3年生)、エリカ・シェイさん(17)は、自宅学習になってから早起きしなくてよくなり、普段は忙しくてできない料理や裁縫などをする時間ができたのはうれしいと話す。
 「自分の好きなペースで集中して勉強できるので、効率は上がったと思います。でも、学習内容をちゃんと理解しているか確認できないのが不安です」
 ワーシャワー教授は、オンライン学習で成果を上げやすい典型例を上げるとすれば、モチベーションが高く、ゴールが明確で、一人で学ぶスキルを持った大人だと言う。
 逆に、学年が下がれば下がるほどオンライン学習は難しくなる。スキルも集中力もないからだ。自閉症や注意欠如などで特別支援が必要な子供、英語を勉強中の生徒なども、必要なサポートが受けられない。
 「ちゃんとしたオンラインコースをつくるには多大な準備と労力を要する」とワーシャワー氏。「今回はそんな余裕がありませんでした。学校区によっては数週間で全て準備しなければならなかった。残念ながら、生徒たちはちゃんとしたオンライン教育を受けられてはいないと思います。でも、学校も最善を尽くしているので誰の責任でもありません」
 加えて、教育関係者の最大の懸念の一つが、アメリカ社会を苦しめる格差の悪化である。
 「オンライン学習は、よほどうまくやらない限り、恵まれた者とそうでない者の差を広げてしまう」とワーシャワー氏。
 生徒の家庭環境は大きく異なる。そこにコロナによる外出禁止や経済打撃の影響が絡んでくる今の状況は、「特に危険性が高い」とワーシャワー氏は言う。
 AP通信によると、生徒の17%が自宅にパソコンがなく、18%が高速インターネット回線がない。低所得や人種マイノリティー家庭でその傾向は顕著だという。たとえパソコンがあっても、親がリモートワークするとなると、1、2台では足りない。
 兄弟が多かったり、部屋数が足りなかったりで、静かに勉強できる環境がない家庭も多いだろう。外出禁止なので、別の場所を探すわけにはいかない。家族の失業やコロナ感染などで勉強どころではない生徒もいる。ここでも影響を受けやすいのは、やはり低所得世帯である。
 また、アメリカは夏休みが3カ月近くあるため、塾や教育キャンプに行く金銭的余裕がない子供は、その間に学力低下がより顕著な傾向がある。自宅学習がうまくいかなければ、秋までにさらに差が広がるだろう。
生徒のニーズを考慮
 こうした格差を埋めようと、学校側は必死になっている。
 多くの学校区は、ノートパソコンやタブレットモバイルルーターなどを無償で貸し出している。
 50万人近い生徒を抱えるロサンゼルス学校区は、約1億ドル(110億円)を使ってルーターや最大20万台ものコンピューターを緊急購入するという。
 「たとえ良い状況下であっても、この全米で2番目に大きい学校区で包括的なオンライン学習プログラムを始めるのは、月に着陸するような途方もない作業です」とロサンゼルス学校区のオースティン・ビュートナー教育長は語った。「何年もの慎重な計画、投資、トレーニング、対話を要する… 我々はそれを数週間でやっている。それを最も必要とする生徒たちが我々を頼りにしているからです」
 カリフォルニア州政府は、成績の付け方などは各学校区に任せるとしながらも、ウイルスとの闘いの真っ只中、生徒の置かれた状況を考慮するようガイドラインで促している。
 生徒や保護者、それに教師の負担を軽減しようと、学習分量を抑え気味にする学校は多いようだ。
 「課題は普段よりずっと少ない」と功武くん。「早ければ1日1時間くらいで終わります」
 カリフォルニア州は、生徒が柔軟に卒業要件を満たせるよう指示している。ロサンゼルス学校区は、落第点は与えないと発表した。
 「英語が第1言語でない者、ホームレスやフォスターケアに身を置く者、さらにはデジタル学習やツール、教材へのアクセスの違いなど、あらゆる生徒のニーズ」を考慮するよう州のガイドラインは定めている。
 ちなみに、3月末に成立した2兆ドル(220兆円)を超える連邦政府の緊急経済救済法案には、小・中・高への支援金135億ドル(1.5兆円)が含まれている。ただ、教育関係者はオンライン学習を充実させるには、とても十分な額ではないと話す。
 コロナの影響で普段以上に教育現場への投資が必要なのだが、今後、経済後退で州からの予算が削られる可能性が高い。
 あえて希望を見出すとすれば、将来また同じようなことが起きても、よりスムーズに学習が継続できる準備ができることだろう。
 「短期的には悲惨な状況なのは間違いありません」とワーシャワー教授。「しかし、長い目で見れば、オンライン学習やデジタルツールが学校でうまく取り入れられるきっかけになるはずです。これまで拒んで来た人も、使わざるをえなくなった。学校が再開した後も、テレビ会議Googleクラスルームなどの利用が増えるでしょう」
 ワーシャワー教授は、同じく休校が続く日本でも、これを機にデジタル教育の価値に気づいてもらいたいと話す。
 「世界では急速にデジタル化が進んでいます。日本も世界の流れについていこうとするのであれば、そこに力を入れて行く必要があるのです」
(志村朋哉・在米ジャーナリスト)
時事ドットコム編集部)