ヨットマン 片岡佳哉 氏の存在を知る。格好いい。まさか TOHOKUDAI 理学部の先輩であるとは。

GAKUSEI 時代に多田雄幸氏の『オケラ五世優勝す―世界一周単独ヨットレース航海記』を読んで、世の中に凄いひといるんだなー&経済的にこれは大丈夫なのか?と心底驚いたものですが(ヨットマン多田雄幸氏はタクシー運転手をしながらヨットレースの予算を捻出しました。世界のヨットレーサーの中には予算に困らない富豪級の人物がいる。世界一周ヨットレースは時間も金も無制限に必要とする領域である。それらを相手にして多田氏は都内でもボトムクラスの職を種とし、勝利してしまうのだ。超優秀なヨットレーサーなのである。

犠牲にしたものは並じゃない。一般人としての生活を、普通人としての幸せを、全部放棄するのです。持てるエネルギーのすべてをヨットに注ぎ込む。四畳半のオンボロアパートに住まい、結婚や家族形成はとうの昔に諦めている。当然国内では評価されない。ところがオーストラリアに上陸すると超VIP待遇なのである。日本では女に相手されない多田氏だがオーストラリアでは白人美女にもてまくるのである)。

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同時代に同水準で凄いヨットマンがいたことを初めて知りました。片岡佳哉氏です。氏は1981年に太平洋横断を企図して宮城県を発つ。ところが氏の著書『ブルーウォーター・ストーリー―たった一人、ヨットで南極に挑んだ日本人』は2015年の発売なのである。30年後に著された本なのです。

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その経路を見てまた驚くのだ。コースは南極を目指してく。圧倒的な冒険事業であるとともに、これはお金にならないだろうと思うわけだ。スポンサードが必要と思うのですが10年弱もの航海では日本に帰り着くひまがない。あくまで自力を頼む。ああこれは TOHOKUDAI だわ・・って思ってたら本当にその通りなので驚愕しました。

なんなんでしょう。

それにしても先達方の勇気に驚かされる。私はおそらくできない。自分も一級小型船舶操縦士免許を所得したのですが東京湾での操船で音を上げてしまった。ちょっと荒れると視界はゼロなのです。目の前は波に阻まれ、太陽の方向と羅針盤以外は正直何も分からない。盲目同様の世界になる。そんな中で心を落ち着かせて3日も4日も耐えるとか人間としてのポテンシャルを限界まで試される世界である。

↓格好よすぎる!! いやほんと、小型船からの視点はこんな感じなんですよ。これで世界一周&南極とか無敵すぎる。驚くべき才能です。

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※多田氏の話ですが、当時の(1980年代の)アマチュア無線事情を反映してる部分がおもしろい。現在のようなインターネット万能の世の中ではない。世界に旅立つと航路にある港の郵便局でしか連絡のつかない時代です。ところがアルゼンチン沖にある地球を通して日本の点対称の位置にある点では無線がばんばん入るのだ。アマチュア無線機でも交信可能なのである。ちょうどこの地点を通して仲間が日本から呼びかける。このくだりはとてもあったかくて本の中でも最高の一節でありました。

※現在では多田氏の業績を語り継ぐものもいない。雄弁で痛快な人生なのに歴史の彼方に消えてしまうのだ。ああもったいない。若い衆はラノベばかり読むのである。ラノベに人生を預けてしまうのである。