大塚食品ボンカレーCM子連れ狼編の本当の意味を悟る。正気とは何か?について。

1970年代に爆発的ブームとなった仮想時代劇『子連れ狼』はエンタテインメントに徹した作風でした。
小学校でも話題にのぼってた「子連れ狼面白れえんだよ」。本当かなと思って眠い目こすって夜のテレビをチェックする私です。
装甲車みたいな乳母車が出てきて、そこからマシンガン出てきて敵をなぎ倒すところで私は観るのをやめた(※オンエア当時。小学生)。
何この時代劇。ふざけてんだろ。マシンガンなんて江戸時代にあるわけない。
そう判断してしまう純粋な私でした。いやー割り切って楽しむべきだったんだな。『快傑ライオン丸』の後番組『風雲ライオン丸』において、馬じゃなくてバイク出てきて敵役がそれに乗ってるのを観て(他のキャラは幌馬車。つまり現代要素に西部劇まで混ぜてる)「これはない」と断じてしまうくらい浅はかだった。
どうせ架空の世界である。楽しんでしまったものが勝ちなんだ(架空の世界であることを強調するために過去の時代と設定されている。おとぎ話において「昔々・・」というような舞台設定の変換である)。視聴者を楽しませるためのマシンガンなのである。

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大塚食品ボンカレーである。世界初のレトルト食品。いまやカレールーを超える出荷額を誇る日本の伝統食品の元祖である。
子連れ狼シングルファザーである。日々労働をこなさなくてはならない。子供への飯の供給も滞りがちである。
「(父)ちゃん、ボンカレー!」。
「3分間、待つのだぞ」。
ぐつぐつ煮える鍋の中、熱湯に浸るボンカレーの袋をじっと見つめる大五郎(子役)。「じっと我慢の子であった」。
面白すぎんでしょこれ! CMで茶化しまくるんだよ本編を。江戸時代にマシンガンが出てくる世界観だからボンカレーも当然あり得る。そういう認識なんだ。素晴らしい。テレビで本編オンエアしてその前後にこんなの見せられたらもう爆笑に次ぐ爆笑。

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日本赤軍イスラエルのテルアビブ空港に乗り込んで銃を乱射し世界の人々を殺しまくる事件が発生していました。
あさま山荘事件も発生していた。三菱重工爆破事件も発生していた。インテリな若者たちが武力テロリズムに興じる時代だった。おそらく背後に北朝鮮の影響もあった(ハイジャック事件の関与者が「帰る」のは、当然北朝鮮である)。
そんな時代に徹底的にエンタテインメントに終始する『子連れ狼』。
いやもう、ほんと、最高ですね。よくぞ作ってくれた。『子連れ狼』さんありがとう。こんな時代に笑いを与えてくれて。こういうのなかったらまじで日本は狂ってた。
※本当に。『子連れ狼』がその後米国に輸出され日本についてのイメージを固定してくれたのは有難かった。これがなかったら現在でも『テルアビブ空港乱射事件』の日本だったのかも知れないのですよ。