マヨネーズの発見。

マヨネーズは「和食の破壊者」とも言われています。まあその辺はおいおいとして。
1982年の日本。米国との比較ではまだ極端な国力の開きがあった(現代でもまだ及ばないくらいです)。
テレビは24時間じゃなかった。民間FM放送もなかった(FM東京くらい。仙台ではこの年の冬に始めてFM仙台が開局する)。東北新幹線もなかった(東京〜福岡までしか新幹線網はなかった)。新潟までつながる関越自動車道もなかった。個人が電話を所有する文化もなかった(女の子に電話しても家族に取り次いでもらう時代だった。ひとり1台なんてとんでもない。NTTが存在しなかった)。コンビニもまともにはなかった。
まあそんな時代において。
例によって私は買い置きの酒(マンズワインが月額3000円でおすすめのブランドを紹介し配布するシステム。18歳でそれに加入していた)飲みながら『月刊PLAYBOY』の料理コーナーを読んでた。
イタメシなどない時代である。
イカスミのパスタが珍妙さで大喜びされてた時代である。
チーズがプロセスチーズしかなかった時代である。
ブルーチーズが「なにこれ味がない」などという、安ものばっかり輸入されてた時代である。
「とびきりうまいおつまみ(あたりめ)の作り方」なんてコーナーがあったのだ。
あたりめというのはスルメの洒落たいいかたで、賭け事でスルのを忌むことからあたりめなどと呼んでるわけである。
お酒のつまみのランクでは、常磐線沿線のカップ酒の添え物として、最低クラスのそれなのである。
そんなものを当時のブランドものを紹介するおしゃれ雑誌(?)が紹介するという。
なんなんだ? 気を取り直して見直すとして。
あたりめを火であぶる。これは当然だ。皆そうしている。あっためたあたりめを細かく裂く。これは当然だ。皆そうしている。
そうして裂いたあたりめを、ごま油をまぶして、フライパンで炒るのです。
油が適当にまわったら。とうがらしをかけ、マヨネーズを添えて食べるのです。
これが究極のおつまみだという。「えええええ!!!!!」。
油ととうがらしの味しかしないじゃねーか。
この記述と、よく言われる『美味しんぼ』のなかのお刺身へのマヨネーズ添え(おおもとは『男のウンチク学』古屋三敏から紹介)が、日本のマヨラーの嚆矢となりました。

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しかしすごいよなあ。「男は、50万円の中古の軽自動車より、50万円の自転車を選ぶ」などといってイタリアのエディ・メルクスとか紹介してるその他のページで、生活に密着した「マヨネーズ添えのあたりめ」。おじちゃんがストーブの脇でちりちりとあぶってるそれを話題に取り上げる。
そしてこうのたまうのだ「男はやせがまん!!」。
ああ。素晴らしい時代。同時期に記述されていた遊園地ねたについてはまたあとで書きます。