マイクロコンピュータの登場した年はランナウェイズの登場した年である。なにこれかっけえ。男勝りの美少女ロックバンド。

美少女ロックバンド?

美少女?

これが?

そういう感じで突っ込まれてしまいますね。しかし問題ない。リードボーカリストは16歳なんだ。16歳でここまで堂々とするのである。

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The Runaways : Joan Jett : Cherie Currie : Lita Ford : Sandy West : Jackie Fox

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このランナウェイズ。日本で可成りヒットしました。各種雑誌で特集を組むのです。コンサートは下着である(そのように模した衣装である)。スカートはなしでパンツ全開である。ショーツ全開である。もちろん特集を組むのは大人向けの雑誌より中学生向けの雑誌である。中学生向けの学習雑誌で16歳の「おとなの」お姉さんがぱんつ全開なのである。

発行数が全然違うわけですよ。中学生向けに特集しちゃえば覇権が取れちゃうわけなんだ。大人は孤立して雑誌を読むのに対し、中学生はそれこそ何百万人も大量に存在して均一に雑誌を読んでダイレクトに影響されてしまう。何百万人・・数学年にわたるとすれば何千万人に近いところまでいく。巨大ブームに発展する。

昔はインターネットがなかった代わりに雑誌や深夜ラジオが中学生の活動する不思議な世界であったわけです。

ここでばんばんと最先端の技術や情報が振りまかれる。技術好きにはマイクロコンピュータ、音楽好きにはランナウェイズです。NECマイコンキットTK-80や海外のSWTPcが紹介されるその同じところでランナウェイズが載る。ギターを弾き演じまくる。

なにこの格好良さ。なんとその隣のページでは宇宙戦艦ヤマトまであったのです。すげー(こちらは一般向け)。

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SHIOちゃんが好きだったんだよなあ。なにかつーとランナウェイズ。いや単純にすごいってわけだけじゃないんですよ。自分の住んでた地域では小学校までの道路が舗装されたのは自分が2年生のときでした。自宅は5年生頃まで藁葺きだった。小学校の校舎が鉄筋コンクリートに改築されたのが5~6年生の時。つまり道路が先行して整備されその影響で建物が近代化する(※現代でもそうです。住宅地の整備はまず道路から行われる)。そして中学生になる時分には、いきなりマイコンやランナウェイズの文化としての普及が始まるわけです。

戦前からあるようなわら葺き屋根の建物から瓦葺きの建物にかわって、2年もしないでマイコンやランナウェイズなんですよ!!

深夜番組が流行りだった。中学生がラジオを使い始める。おそらくその数年前まで中学生がラジオを聴く文化なんてなかったんだ。建物が藁葺きだったので。隣にはばーちゃんや妹が寝てる。10歳の私のとなりは60歳のおばあちゃんと6歳の妹である。

寝る前に広い居間を片し布団を並べて敷く。個室なんてない。着るものは毎朝枕元に畳んで置くのを着るのである。午前5時におじいちゃんがラジオ早起き鳥を聴く。そんな中で午前1時にオールナイトニッポンをかけるなんてできないのである。

しかし個室があればエアチェックできる。おじいちゃんの寝てる時間帯に自分でラジオをチューニングできる。存分に視聴できるわけだ。

家屋の構造の変化が中学生のライフスタイルを変え、文化の受容形態を変え、いきなりアニメやマイコンや海外ロックや深夜DJ(お笑いを担当する)の話題が増え、その後の生活の激変(新人類的なものの誕生)を引き起こしたのである。

大学に入学した当時。先輩たちと話が合わなくて困っていた。わずか数年の出生年齢の違いでもその差は無限に大きいんだ。

先輩たちはフォークである。車座になって弾く文化である。私たちはウォークマンである。先輩たちにはランナウェイズはなかったのであった。