こんなん当たり前『農協通さぬ酪農家に賦課金 公取委が農協に注意 北海道』。10月6日 16時45分。NHK。農協頼りの他の地域のシステムも遠からず壊れる。

農協がどういうシステムなのかは過去に書いたとおりです(「現金」の存在しない過去の田舎において、肥料機械代等を所属する農民に貸付して収め、生産物を回収して代理販売=金銭に変換するシステム。機構上赤字になりようがない。農民を一方的にむしる。一般企業とサラリーマンとの関係以上のブラック企業システムである)。
私のいた栃木県南部では農民システムを離脱することで高度な収益を得ている農民が複数存在した。そのうちの1人(ひとつ)は横浜市東戸塚の出身だった。東戸塚は西暦2000年頃まで駅前には畜舎が存在する単なる田舎だったのだ。
そこが都市化し、いきなりタワーマンションが乱立した。農地を現金に換えた某氏は新天地を東京への出荷に便利な栃木県南部に求め、トマトの大規模生産システムを設置した。
売上は億である。その地の農地はただ同然だった。優良な農地なのに百姓は(従来の農民は)貧困に喘ぎ農地を売り払ってしまったのである。

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農協通さぬ酪農家に賦課金 公取委が農協に注意 北海道
10月6日 16時45分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171006/k10011170301000.html

牛乳やバターなどの原料となる「生乳」の出荷をめぐり、北海道釧路市の農協が、農協を通さずに出荷していた組合員だけに一時的に金銭的負担をさせていたことがわかり、公正取引委員会は、そのまま続けば優越的な地位の乱用を禁じた独占禁止法に違反するおそれがあったとして注意しました。
注意を受けたのは北海道釧路市の酪農家など150余りの組合員が加盟する阿寒農協です。
阿寒農協はことし6月、営農指導の費用に充てるため、酪農を営むすべての組合員から生乳の出荷量に応じて「賦課金」と呼ばれる分担金を徴収する制度を導入しました。

しかし公正取引委員会によりますと、農協を通して生乳を出荷している組合員については賦課金に相当する金額分だけ出荷に伴う手数料を引き下げ、実質的な負担をなくす一方で、農協を通さずに出荷していた組合員1人には賦課金を負担させていたということです。

国内の生乳はほとんどが農協を通じて出荷されていますが、この組合員はことし6月から農協以外の民間の卸売業者に直接出荷していたということです。

阿寒農協は先月になって賦課金の徴収を停止しましたが、公正取引委員会は、徴収が続いた場合、取り引き上、優位な地位を使って相手に不利益を与えることを禁じた独占禁止法に違反するおそれがあったとして6日注意しました。
広がる脱農協の動き
生乳の流通をめぐっては、従来のように農協を通して出荷するのではなく、独自のブランドとして民間の卸売業者などに販売する動きが広がりつつあります。

農林水産省によりますと、国内の平成27年度の生乳の生産量は741万トンに上り、そのほとんどは農協を通して全国に10ある「指定団体」に出荷され、そこから乳業メーカーなどに販売されています。

国内生産量の半分余りを占める北海道の生乳は、東京や大阪などの大規模な消費地から遠いことなどからその8割が比較的高い価格で取り引きされる牛乳などの「飲用」ではなく、保存が効くバターやチーズなどの加工品に使われてきました。

しかし技術の進歩などによって鮮度を保ちながら配送できるようになったほか、3年前からは独自のブランドとして民間の卸売業者を通じて高い価格で販売していきたいという酪農家たちが現れ、業者によりますと、現在、北海道の20余りの酪農家が農協を通さずに生乳を出荷しているということです。
脱農協に踏み切った酪農家は
国内で最も酪農が盛んな北海道東部では酪農家が指定団体以外に生乳を出荷する動きが広がり始めています。

6年前に経営を始めた北海道釧路市阿寒町の福田貴仁さん(33)はおよそ200頭の乳牛を飼育し、一日当たり6トン近い生乳を生産しています。
福田さんはことし5月までは指定団体に生乳を出荷していましたが、少しでも収入を増やそうと、ことし6月からは群馬県の卸会社に出荷先を切り替えました。
その結果、1キロ当たり95円前後だった卸価格は98円から100円前後と3円から5円高くなり、年間では収入がおよそ600万円増える見込みになったということです。
さらに出荷先を替えたことで自分のアイデアや工夫で生乳の販路を広げられるようになったと言います。
福田さんは「農協を通じて出荷すると、自分の生乳をどのメーカーにどの用途で売るか自分たちでは決められない。自分たちオリジナルの牛乳パックや高級なバターを作って輸出したりすることができるのはやりがいにつながる」と話しています。
一方で、国内最大の生産地の北海道の生乳が主に加工用として出荷されていることについて「今は冷却技術や流通網が発達しているので北海道から本州に持って行くことは当たり前になっている。50年前に作った制度を変えるべき時期にきているのではないか」と指摘しています。
新たな販路開拓に挑む卸売業者
新たな販路を模索する酪農家たちと消費者を結びつけているのが酪農業界で「アウトサイダー」と呼ばれる民間の生乳卸売業者です。

群馬県の卸売業者「ミルク・マーケット・ジャパン」は、北海道の酪農家との取り引きを始め年間およそ4万5000トンの生乳を仕入れて、首都圏のスーパーなどに卸しています。

去年からはスーパーなどが北海道産を売りに独自に開発したプライベートブランドの商品展開にも関わっていて、社長の茂木修一さんは「はじめに牛乳を卸したところ味を気に入ってもらえて、スーパーの方から注文が来て、ヨーグルトやアイスクリームなどの商品を作っています。思いのほか売れています」と話しています。
そのうえで茂木さんは「今のようにすべての生乳を無条件に農協に委託販売するという状態から、自分で作って売ってもOKという世界が広がれば酪農家もやる気になります。高いものも安いものもありますが、消費者に選択してもらえる形になればいいと思っています」と話しています。
取引き自由化のリスク 議論も必要
一方で新鮮な生乳を安定的に消費者に届けるためには、国内の酪農界全体の状況を考え取り引きの自由化に伴うリスクについても議論をしていくべきだという声もあります。

生産から販売まで牛乳の流通に関わる業界団体「Jミルク」の前田浩史専務理事は「生乳は腐敗しやすいというほかの食品にはない特徴があり、災害で輸送や製造が止まる場合には、ほかの地域の生乳を工面するなどして牛乳不足が起こらないようにしている。競争を促進する考え方も重要だが、リスクを業界全体で分担し合い、生乳を安定的に供給する仕組みをいかにして維持していくのかも大変重要だ」と話しています。