『都心でマンション「大暴落」、売れ残り続出…要注意エリアはここだ!』。2020年まで持たなかった 週刊現代。

タワーマンションは立ちすぎです。
加えて言うと部屋が広すぎる。もちろんあれくらいの面積簡単に使っちゃうかもしれませんが。一般的な感覚なら「その分別の棟の分を買う」方がいいのではないか? 例えば車置き場とか、自分の作業空間とか。

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都心でマンション「大暴落」、売れ残り続出…要注意エリアはここだ!
2020年まで持たなかった
週刊現代
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49680

全国のマンション数は600万戸超。毎年10万戸前後の新築物件が生まれる巨大市場だが、それがついに「暴落劇」に襲われ出した。しかも、発火点はなんと都内の「中枢」。これはただごとではない。

駅近物件でもダメ

成城、三軒茶屋など、「住みたい街ランキング」で上位にランクインする街を多く抱える世田谷区。不動産業界では「世田谷は鉄板」「作れば売れるエリア」というのが常識だったが、ここに大異変が起きている。

世田谷のマンション市場でまったく新しい「売れ残り現象」が発生し、マンション業者たちが悲鳴を上げ始めたのだ。

住宅ジャーナリストの榊淳司氏が言う。

「物件が完成しているにもかかわらず売れ残る、いわゆる『完成在庫』を抱える新築マンションが急増しています。

そもそも新築マンションというのは建物ができる前に販売を開始し、完成前に全住戸を売り切るのが基本。それが完成前に売り切れずに、完成後もマンションの壁面に『販売中』などの看板を掲げざるを得ない物件が続出しているのです。

私の把握している限りでは、区内で販売中の新築マンション35物件のうち、7月末時点で23物件が完成在庫を抱えていた。実に7割の新築マンションが売れ残っているわけですが、私がマンション市場を30年以上にわたってウォッチし続けている中で、こんな風景は見たことがない」

実際にそうした「売れ残りマンション」を回ってみると、想像を超える惨状である。

東急沿線で外国の大使館なども建つ超人気住宅街のマンションは、昨年完成しているにもかかわらず1割弱が売れ残り状態。一般的には真っ先に売れていくはずの最上階の部屋でさえ、いまだ「販売中」だった。現地での見学会の予約状況も「残席あり」が目立ち、大手デベロッパーの「億ション」にしてはあまりにお寒い状況である。

環八沿いで交通至便、近隣に有名校も多い人気住宅エリアに建つ別のマンションは、今夏に完成。住戸数を限ったプレミアム住宅ながら6000万円台の価格が「売り」の物件だが、2割ほどが売れ残り中……。モデルルームでは抽選で高級家電が当たるキャンペーンまで展開しているが、南向きや角部屋といった「売れ筋」さえ残っているから、目も当てられない。

売れ残りマンションの現場では、こうした大盤振る舞いのキャンペーンがエスカレート。来場者に税理士の無料相談を提供したり、ギフトカードなどを配るのは当たり前。中には、成約者に「100万円相当」のプレゼントをするところまで出てきており、「売れれば何でもあり」の状態になっている。

「大幅な『値引き』も始まっています。中には『×××万円ダウン』などとお客に大々的にPRする物件まで出てきた」(地元不動産業者)

前出・榊氏も言う。

「こうした売れ残りマンションには、三菱地所三井不動産住友不動産野村不動産などの大手デベロッパーが手掛けた人気ブランドマンションが多く含まれています。

さらに、下北沢など超人気住宅街の物件、主要駅から徒歩5分圏内の駅近物件、低層のプレミアム物件など、これまでなら『即完売』が約束されたマンションでさえ売れ残っている。マンション市況が崩壊する予兆を感じます」

国交省の衝撃レポート

実際、こうした異変は世田谷に限った話ではない。ここ数年のマンションブームの象徴である湾岸エリアのタワーマンションもまた、「大暴落」の危機に直面している。

いま不動産業界で話題なのが、国土交通省が8月末に発表したレポート。正式名称は『主要都市の高度利用地地価動向報告』なるもので、全国主要都市の最新地価動向などについて不動産鑑定士や地元不動産業者、金融機関などから国交省が情報を収集。その情報をもとに、各地の最新動向を調査・分析した内容が仔細に書かれている。

この報告書は3ヵ月ごとに出されるものだが、その最新号が湾岸エリアの赤裸々な実態を暴露したことで、業界関係者が騒然としているのだ。

まず佃・月島エリアについては、〈新築、中古マンションの取引共に陰りが見え始めている〉と指摘。

そのうえで、〈平成28年年初以降株価が下落し、経済状勢の不透明感から資産保有目的の個人富裕層による取得需要が減退しており、晴海地区など利便性の劣る地区を中心に分譲マンションの売れ残りが見られるなど弱まりをみせている〉と「売れ残り」の実態を暴露している。

続けて豊洲エリアは、〈東京五輪開催決定以降、購入層の取得意欲は高く、新築・中古ともにマンション価格は上昇を続けてきたが、一次取得層による購入限度額が近づいている〉。一次取得層とは、初めて住宅を購入する層のこと。

そのため、〈需要者による物件の取捨選択が行われるようになり、割高な物件がやや売れにくくなっている。建築費高騰の影響からデベロッパーの採算性が厳しくなっている〉と、業者の「内情」にまで踏み込んだ実態を明かす。

さらに、有明エリアにいたっては、〈東京五輪開催決定以降の販売価格の上昇や売出物件の増加により、当地区のマンション成約価格は頭打ちの傾向が見られる〉としたうえで、〈湾岸エリア全体では更なる大量供給が控えていることから、今後は価格調整局面を迎えることが予想される。マンション市況はピークアウトしているとの見方が強い〉。

湾岸エリアは「もう終わり」との書きぶりなのだ。


「実際、湾岸エリアに詳しい不動産業者に聞いてみると『在庫の囁き売り』が始まっているそうです。新築マンションは表向きには値下げはできませんから、見込み客に対して直接、『300万円価格を下げますので買いませんか』と交渉するわけです。すでに豊洲の有名タワマンでは売りが散見され、中古相場も今年6月あたりから下落し始めた」

やはり「バブル」だった

ここでグラフをご覧いただきたい。

これは首都圏マンションの販売価格と発売数の直近の推移を示したものだが、ここへきて市況は急激に悪化。発売戸数にいたっては前年同月比で30%以上も激減しており、売れ行きが急減速していることがわかる。

実は、首都圏マンションは7月の販売在庫数も6498戸に増えていて、「これは不動産ミニバブルが崩壊した'09年頃に近づく水準です。マンションバブルの崩壊を予兆するデータが出揃ってきたと言えます」と指摘するのは、みずほ証券市場情報戦略部上級研究員の石澤卓志氏である。

「マンションが売れなくなってきた理由のひとつは、価格が異常高騰しすぎたから。住宅は各世帯の年収の4倍が手頃、5倍が上限とされているが、現状は山の手エリアだと日本人の平均年収の15倍、下町エリアで10倍、都下でも8~9倍の水準。世帯年収が1000万円超でないと、都内にマンションを買うのは難しい。バブルがこれほど大きく膨らんだ結果、ついにマンションが売れなくなってきたわけです」

これまでは一部の富裕層や海外投資家などが、資産運用先や相続対策としてこうした高級物件を購入。それが「高値」を支えてきたが、そうした投資マネーも不動産市場から逃げ始めた。

ニッセイ基礎研究所不動産投資チーム主任研究員の増宮守氏は、「海外投資家による大規模不動産の取得は昨年後半に勢いが止まり、今年に入ってからも大きく落ち込んでいる」と明かす。

中国経済の失速懸念からリスク意識が高まり、今年の上半期は昨年比で『ほぼ半減』という水準です。海外富裕層は湾岸エリアのタワーマンションのほか、赤坂、渋谷、新宿などの大規模物件の購入も目立っていましたが、年初からの円高もあってこれも失速したとみられます。

国内の富裕層による相続税の『タワマン節税』に対する課税強化も警戒されている。都心部の高額マンション市場への影響は避けられないでしょう」

目黒、杉並、二子玉川が危険

一般家庭も富裕層も海外投資家も「買わない」のだから、市場が崩れていくのは当然である。

こうした事態を受けて、いま業界内ではデベロッパーたちが「経営危機リスク」に怯え始めた。

「ある大手デベロッパーがマンション事業から撤退するという話がすでに広まっています。実際、日本橋エリアでは坪単価400万円ほどが水準だったのに、最近の新築マンションは坪単価300万円前半で売られている。これはデベロッパー側が儲けられる販売価格ではない」(前出・榊氏)

とにかく早く売り逃げて、いますぐ「撤退」したいという魂胆が透けて見えるというわけだ。前出の石澤氏も言う。

「マンション業者の中には、かなりの高額でマンション用地を取得したところも少なくありません。それが予定した価格で売れないとなれば、デベロッパーは経営危機にさらされる危険性が出てくる。そうした中堅デベが在庫を早くはけさせるためにさらに価格を下げれば、マンション価格の下落傾向に拍車がかかることになります」

それがまた業者の経営を苦しめ、「安売り競争」が加速して……そんな「負の暴落スパイラル」が、2020年を待たずに幕を開けたわけだ。

では、これからマンションはどこまで下がってしまうのか。特に危険なエリアはどこか。

「まず、注意しなければならないのは有明豊洲のエリアでしょう。すでに売りが出ているのに、今後も大規模開発案件があるので、在庫が膨れ上がるリスクが高い。もう坪単価300万円を切るほどまで下がっているが、これが数年かけて最低2割、最悪の場合は半値まで暴落する可能性はある」(前出・榊氏)

大京取締役で不動産ジャーナリストの大越武氏も言う。

「世田谷、目黒などの城南エリア、中央線沿線の杉並などの城西エリアは、これまで価格が上がり過ぎた分、下がる時は大きく下げるリスクがあります。現在の坪単価は300万円以上ですが、すでに売れ残りが出ている。サラリーマンが買えるような価格になるには、これが200万円まで下がらないといけない」

こうして都心部の価格下落が起き始めると、これまで都心には住めなかった周辺住民が一気に流入。連鎖するように、今度は周辺部が暴落していく。不動産エコノミストの吉崎誠二氏が言う。

「過剰にブランド化している二子玉川などは下落幅が大きく、2~3割下がってもおかしくありません。こうした連鎖現象は次々に起こり、たとえば世田谷でも環七通りの外側の用賀や経堂などは厳しくなってくるでしょう。すでにこのエリアではある新築マンションが売り出しから数ヵ月にして、2割しか売れていないと聞いています」

東京都心から始まった大暴落劇場は、もう止まりそうにない。

週刊現代」2016年9月17日号より