この、凄まじいばかりの闘志『「嫌でした」 レスリング川井梨紗子が語る階級上げの胸中』。日刊ゲンダイ 2016.05.04。

以下の記事を読んで私は涙してしまいました。ここまで強さを追求できるものなのか。

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「嫌でした」 レスリング川井梨紗子が語る階級上げの胸中
日刊ゲンダイ 2016.05.04
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/180501
 リオの女子レスリングはともに五輪3連覇を狙う53キロ級の吉田沙保里(33)、58キロ級の伊調馨(31)の2人が注目されるが、金メダル獲得が有力視されているのが63キロ級の川井梨紗子だ。58キロ級から階級を上げて臨んだ2015年の世界選手権(米国・ラスベガス)の銀メダルで初の五輪代表に内定した。全日本大学王者の父・孝人さん、1989年世界選手権代表の母・初江さんを両親に持つレスリング界のサラブレッドを至学館大学レスリング道場で直撃した。

――初めて五輪の代表権を得た時の心境は?

「世界選手権で2位になって内定を頂きましたが、あの時はうれしさしかありませんでした。目標だった五輪に出場できるので浮かれていた時期もありましたが、すぐに切り替えて、今はやるしかないという気持ちでいっぱいです」

――58キロ級から2階級も上げたのは絶対王者の伊調がいるからですか?

「最初は階級を変える気など全くありませんでした。馨さん(伊調=顔写真)を倒すことを目標にしてきましたから。一昨年(14年)の全日本選手権で馨さんに負けてから、(至学館大の)栄(和人)監督から63キロ級への転向を勧められましたが、正直、嫌でした。馨さんを倒してこそ、真の王者だと思っていましたので。周囲の人からも階級変更を勧められて両親や先輩に相談してもなかなか、踏ん切りがつきませんでした。1つ上の60キロ級(非五輪階級)で世界選手権を目指そうかとも考えましたが、絵莉さん(登坂=48キロ級代表)から『63キロ級で五輪を目指すべきだ』と強く言われたことで決めました」

――2階級も上げると、身長、パワーで劣るだけに不利ではないのか?

「63キロ級で最初に出場した明治杯の対戦相手は日本人選手ばかりで、どんなタイプか分かっていたので対応できました。でも、世界選手権は知らない外国人選手ばかり。対戦前は正直、怖さがありました。63キロ級の選手はどっしりとしていてパワーはありますが、58キロ級に比べてスピードはありません。階級を上げてもレスリングのスタイルは変えていないので、自分のスピードは十分に通用したと思います」

――自分のレスリングでアピールしたいところはありますか?

「組み手を得意としているので、ぜひ見てほしいです。組み手からタックルに入ってポイントを取るのが自分のスタイルなので、リオでも決めたいです」

――世界選手権2位になり、ライバルからのマークは厳しくなると思いますが。

「去年の世界選手権前は自分も相手のビデオを見て研究してましたけど、組んだ感触やパワーなどは実際に対戦してみないと分かりません。それは相手も同じで、いくら私を研究しても対戦するまでは不安があると思う」

――リオでの具体的な目標は?

「当然、金メダルです。世界選手権で2位になっても、五輪で結果を残せるほど甘い世界ではない。自分のレスリングを貫くためにも、本番までに練習や対戦相手の分析など、できることは全てやるつもりです」

――リオだけでなく、「東京五輪の星」と期待されています。

東京五輪は58キロに戻します。できれば、馨さんを倒して代表権を勝ち取りたいです。去年の全日本選手権の決勝で妹(友香子=18)を倒しましたが、姉妹で東京五輪に出場するのも目標です。姉妹でメダリストを目指します」

――吉田や伊調を超える選手になりたいと思いませんか?

「沙保里さん、馨さんは偉大過ぎて足元にも及びません。2人のように五輪や世界選手権で連覇したわけでもないので、大きなことは言えませんが、少しでも近づくためにも、まずはリオ五輪で金メダルを取りたいです」

▽かわい・りさこ 1994年11月21日生まれ。石川県津幡町出身。身長160センチ。レスリング選手だった両親の手ほどきを受けて小2でレスリングを始める。至学館高2年時(11年)には世界カデット選手権52キロ級で優勝。55キロ級、58キロ級と階級を上げ、63キロ級で初めて出場した15年の全日本選手権で優勝した。