ミューラー擬態とベーツ擬態。最近の酒造界の仁義なき戦いについて。

最近の酒造界の他社追従路線は全くもってひどい有様ですね。「売れる」酒があると、コンセプトからパッケージまで全てをぱくってしまう。画像を添付しますが。左手のサントリー「こくしぼり」は、キリン「本絞り」のぱちもん(コンパチブルのこと)、右手のアサヒ「辛口焼酎ハイボール」は宝酒造焼酎ハイボール」のコピー商品です。
サントリーでは、アルコール度数を低めにするとか(キリン6%,サントリー4%)果肉残滓を同梱するとかの工夫がなされていますが、アサヒのこれはいけないでしょう。味がほとんど同じであることに加え、凸凹を強調したパッケージまで酷似。表面の銀色でアサヒの製品であることが辛うじてわかる(あのコーポレートマークは卑怯ですね。それだけで売りになる。もっとも、マークだけで勝負できるところまでブランド価値を高めたアサヒの勝利かもしれない。スーパードライ発売時には、圧倒的シェアを持つキリンに勝つなど考えられなかった。いまでは日本のビールのスタンダードだ。名うての美食家が全否定を繰り返したにもかかわらず、ドイツビールと異なるスーパードライは日本の環境において圧勝したのである)。
このように、異なる遺伝子なのに同一のニッチに生息する生物が外見上区別できなくなるような擬態を、ミューラー擬態と呼びます。
ドライな缶チューハイを飲みたければ、表面凸凹の缶をつかめばいい、ということですね。利用者側からは区別しなくていい。情報処理系の負担が小さくなる。
ノンアルコールビールなどの他のドリンクが普通のビールのような外見を持つことをベーツ擬態と呼びます。
あれらは酒ではなく水である。酒税法も年齢制限も関係ない。真昼間から子供が飲んでも怒られない(しかし缶の外見だけで文句を言われるのでしょうが)。
で。
これらの擬態製品によって生態的地位を奪われた商品がかわいそうです。私はキリン「本絞り」のファンなのですよ。でも近所のファミリーマートからは撤去されてしまった。代わりに入ってきたのがこれらです。なんというか、すごく残念。
※※日本の缶チューハイは「うまい!」らしい。来日したドイツ人の感想では、実におすすめらしいのだ。ビールにつきまとう高額の酒税法を逃れるために開発されてきた缶チューハイなのだが、いつの間にか素晴らしい進化を遂げ、優先して選ばれる商品と化している。
ファミリーマートの格安缶チューハイも悪くない。よくできてる。ローソン100で売ってるいちばん安い缶チューハイより内容的に上です(※飲み比べてチェックしてます)。きちんと開発された味だ。あれで350ml税込122円は凄すぎる。同サイズのノンアルコールドリンクに比べて、2円しか高くなってないのですよ(当然税金込んでます。すごい)。